市民オペラ「トゥーランドット」趣意

1.見果てぬ夢を追い求める。

わずか2回のオペラ制作の経験で、難曲にして壮大な『トゥーランドット』に挑むのは無謀なのかもしれない。しかし容易に到達出来ない高い峰を目指してこそ、胸が高鳴り、血が熱くなる。知恵の限りを絞り必死にならないと出来ない高い峰に、あえて挑戦します。

2.観客の感動だけでなく参画した人間全ての心を動かし、歓びを分かち合いあい、幸せになれるような舞台と運営を目指す。

オペラを制作し上演することは目的ではありません。その過程を通じて関心を高め、期待に胸を膨らませ、感動を生み出すことが目的です。
素晴らしい本物の舞台を作り上げます。本物に感動する素晴らしい観客を増やし、高揚感あふれる客席を作り上げて行きます。

3.三河という地域挙げての市民オペラというどこにもない取り組みを作る。

市民が運営し、市民が出演するだけで市民オペラを名乗れば舞台のレベルの高くないのが市民オペラと言うことになってしまいます。地域を挙げて取り組み、上演までに舞台と地域の交流を図り、制作の熱気が地域の空気となり、地域の熱気が舞台の熱気を増幅するような、全国に誇れる三河の新しい文化を作り上げたい。

4.情報発信能力を上げて地域と関わる人の気持ちを一つにする。

制作のさまざまなプロセス、関わる指揮者・演出家・ソリストなどの思いや取り組み、『トゥーランドット』の解説などをHPや新聞・テレビなどさまざまなメディアを活用して地域に伝えます。大勢の人たちの関心を集め、やがて上演される舞台で演じる人、関わる人、支える人、観客になる人の気持ちを高め、大きく一つのチームワークを作り上げて行きたい。

5.思いを叶えられる委員会の体制を整える。

制作委員会のメンバーは地元経営者を中心に結成されたオペラ制作のプロジェクトチーム。「関わる人全てを感動させてこそ市民オペラ」「オペラ制作の赤字は恥」と音楽家ではなく客席とビジネスマンの目線で裏方とプロデュースに徹する。日本におけるオペラ制作の今までにないビジネスモデル構築に意欲を燃やしたい。

6.今までに無い、今までより楽しい音楽やオペラの楽しみ方、取り組み方を提案して行きます。

公開オーディション、オペラセミナー、リレーエッセイ、オペラコンサートなど今までにない取り組み方や視点を変えることで、音楽やオペラの楽しさと面白さを実感してもらう。今までのしがらみを離れ、しかししがらみを生かす。次の世代を巻き込み、この地域の文化をより魅力的なものにしていく。

7.三河の文化振興を図り、他にはない文化を作り上げ全国に情報発信する。

2回目の三河市民オペラ『カルメン』は佐川吉男音楽賞・奨励賞を始め
五つの賞に輝き三河発の文化の素晴らしさを全国に知らしめた。東三河県庁の発足にともない、この地域が行政や経済だけでなく、文化でも一体化し新しい三河の文化を築き上げていくその一翼を担いたい。