「アンドレア・シェニエ」公演を控え、主要キャストによるガラ・コンサートが開催され、観客とステージのボルテージが最高レベルに達しました。

三河市民オペラ2023年公演「アンドレア・シェニエ」ガラコンサート
2022年8月21日 穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール PM2:00~4:30

 三河市民オペラ(以降МCO)実に6年ぶりの公演となる「アンドレア・シェニエ」で、主役を予定している我が国トップクラスの豪華ソリスト4名によるガラコンサートです。しかし直前になって上江隼人さんが体調不良にてキャンセルせざるを得ない事態に、これに対し基本プログラムを変更せずに森谷真理さん・笛田博昭さん・今井俊輔さんの3人でカバーすることに決定。ピアノは全体の構成を担った指揮者の園田隆一郎さんとピアニストの小埜寺美樹さんです。

 全席完売で迎えた当日、森谷さんによる「ある晴れた日に」で静かにそして力強く始まったコンサート。園田マエストロによる逐一の分かりやすい前振りもあり、観客のボルテージが徐々に高揚、拍手する手の位置が次第に高い位置に上がってゆくのにそれが証されました。コロナ禍ゆえ、残念ながら「ブラボー!」などの掛け声や、スタンディングオベーションのお控えを開演前にお願いしましたが、ステージと観客席の熱度の交換は確実に生まれました。

 途中休憩後の2部の冒頭には、出演者全員と主催の委員会を代表した朝倉伸一さんがステージに並び、インタビューを受ける趣向。司会をされたМCO代表の鈴木伊能勢さんによる鋭い質問にたじろぎながらも、出演者の皆さんの本音トークが会場を大いに沸かせました。浮かびあがって来たのが、豊橋の地でこれほどまでに我が国でも最高峰のオペラ上演を成功させたМCOの「熱さ」でした。豊橋であれば駆け付けたくなる、これを称して「三河市民オペラの沼」にハマると言うのでした。朝倉さんの登場も、委員会メンバーと観客との垣根を取り払い、近しい存在である事を明らかに出来ました。

 第2部はいよいよ来年の本公演を控え「アンドレア・シェニエ」からのアリアです。本公演では当然に生のオーケストラ演奏ですが、ピアノ1台でそれをカバーするために、園田さんと小埜寺さんが並んでピアノに向かい連弾、見事に豊かな響きを醸し出されるのには驚きました。至極のアリアを多数有する「アンドレア・シェニエ」のハイライトに観客は酔いしれる事が出来ました。いよいよ最後のプログラムのクライマックス、ソリスト3人揃っての場内を揺るがす圧巻(本当に圧巻!)の響きをもって、大成功裏にガラコンサートは幕を閉じました。

以下、ツイッターにアップされたお客様からの感想を一部抜粋で記しておきます。

S様:途中で涙が出そうなくらいジーンとしました、制作チームの熱量が会場全体に漂っていました
J様:圧巻の演奏
S様:ガラが神公演だった、森谷さんトスカ、今井さんと笛田さんの友情二重唱、ニューイヤーオペラのような豪華さ、琴線に触れ涙腺が完全に崩壊した、МCOのポリシーにしびれた、来年5月の公演はめちゃめちゃ豪華キャスト両日とも行きたい
Y様:小埜寺さんと園田さんの連弾も見事
R様:園田さんお話上手ですね、ドン・カルロ二重唱めちゃ良かった
М様:大好評の声があちこちで聞こえています