三河市民オペラ制作委員会2006年公演

魔笛

2006年
12月17日(日)
アイプラザ豊橋大ホール

オペラ「魔笛」は、悪人に誘拐された王女を旅の王子が助けに行く、という設定で始まりますが、実は悪人と思われた男が徳の高い僧侶で、王子に救出を依頼した夜の女王は復讐のために彼を利用した悪女であった、という具合に展開します。

台本を書いたエマニュエル・シカネーダーは初演間近になって類似の作品に気づき、急遽、単なる救出劇から善玉と悪玉が入れかわる物語に変えたと伝えられており、これが原因で話の展開には無理が生じたようです。「シカネーダーのことだ、しかたねーだー」とモーツァルトが妥協したせいか、物語はいまひとつ不自然で、評論家の中には「魔笛は音楽だけ聴けばよい」という人もいます。しかし、不自然なところがあるからこそ、逆に様々な解釈が成り立つのだともいえます。現にこのオペラは多様な解釈による演出で、数限りなく上演されてきました。今回の舞台も、皆さまがそれぞれの解釈で「何か」を感じ取っていただければ幸いです。

さて、このオペラには3という数字がしばしば登場します。これはモーツァルトが属していたフリーメイソンという結社では、3が重要視されたそうで、3人の侍女、3人の童子(今回は76人ですが)、3つの扉などは、その影響であるといわれています。フリーメイソンについては、これまた諸説紛々です。謎に満ちたテンプル騎士団との関係、モーツァルト暗殺の黒幕説(入会の儀式を魔笛の中で描いてしまったため?) 、坂本竜馬もメンバーだった、等々。ミステリアスなフリーメイソンとの関連でご覧になるのも面白いかもしれません。ペリーメイスンではありませんので、お間違いなきよう。

このオペラで対立軸となるのはザラストロの博愛と夜の女王の利己心ですが、この二人がオペラの中の一番低い音と高い音を歌っているのは、その象徴といえましょう。そのザラストロという名前はゾロアスター教から採ったようですが、合唱には「おおイシス、おおオシリス」とエジプト神話の神が登場し、火、水、土(沈黙)の試練などは、これに風を加えた4大元素論を連想させます。 モーツァルトらしい柔軟さでしょうか。これに第5の要素として「愛」を加えたというと、まるで映画「フィフスエレメント」ですが、タミーノとパミーナ、パパゲーノとパパゲーナ、彼らは愛の力で試練を乗り越えます。

この先、彼らの愛の行方は…?そんな想像をしてみるのも「魔笛」の楽しみ方の一つではないでしょうか。

【三河市民オペラ紹介文より:豊橘市民オペラ実行委員 望月志郎】

指揮 倉知竜也
演出 松岡一夫
演出アドバイザー 松山雅彦
公演監督 吉村純
ザラストロ・弁者 松下雅人
タミーノ 吉村純
パミーナ 田辺菜美子
夜の女王 木下侑
侍女1 長坂美幸(1幕)
侍女1 山口美帆(2幕)
侍女2 横江比鶴(1幕)
侍女2 山本祐子(2幕)
侍女3 川島美穂
パパゲーノ 関口大介
パパゲーナ ゆう子
モノスタートス 櫻井重仁
武士1 山田明生
武士2 芳賀俊一郎
僧侶1 水野季彦
僧侶2 中野和彦
家来Ten.1 小柳清男
家来Ten.1 三浦信介
家来Ten.1 渡部茂久
家来Ten.2 木下治二
家来Ten.2 西郷隆治
家来Ten.2 髙岡徹
家来Ten.2 中村成人
家来Bas. 荒木征夫
家来Bas. 駒沢真司
家来Bas. 鈴木隆夫
家来Bas. 林伸和
家来Bas. 望月志郎
トヨッキー 伊藤篤史
クリン 清水政義
ヒケッシー 白井智大
けんとくん 蔵地彩
合唱団 豊橋市民オペラ合唱団
合唱団 男声合唱団ふんけんクラブ
合唱団 豊橋女声コーラス
合唱団 合唱団しじゅうから
合唱団 栄アンサンブル
合唱団 豊橋児童合唱団
管弦楽 中部日本交響楽団